遠くからあなたの声が聞こえる。
大きい声だからすぐわかる。
「俺さ、あの公園で夕日見るのが好きなんだよね。すっげえきれいでさ、ずっと見てたらなんか明日も頑張ろうって気になるんだよね」
・・・そうなんだ、夕焼け好きなんだ。
ずっとあなたの背中しか見てなくて、そんなこと知らなかった。
仕事が終わってからその公園に行ったら会える気がして、こっそり一人で行ってみたけど、あなたはいなかった。
寝っ転がって夕日を見ているかもしれないってちょっと期待していたのだけれど。
もし、私が夕日になったら、少しは私のこと見てくれるかなって思ったけど、そんなの無理だよね。
声すらかけられないような私があなたと一緒にいるなんて想像できない。
夕日がうるんでもう何も見えなくなった。
ただ私は夕日になってあなたに振り向いてもらいたい、見て欲しいだけなのに。
それすらできない。自分の弱さが情けなかった。
「夕日になれたらあなたは振り向いてくれるだろうか」
By おろれっく(なかぎり代理投稿)
2 件のコメント:
こういうの、いいですよね。
小説を書ける人は句を作品化するというのも面白いですよね。
書けない人は、誰かに委ねるのも、またひとつの楽しみ方となるやもしれません。
私も誰かに頼まれないかなあ。
おろれっくさんの文章の、ふわりとした切なさがすき。
偶然を期待して待つ。
だったらいいな、の恋。
いつまでも変わらないのよね。
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